前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖することにより発生します。 早期発見であれば治癒することも可能です。当院では、手術での治療の他に、外部照射・内部照射の放射線治療も行っています。
外部照射とは、リニアック(直線加速器)という放射線治療装置を用いて、高エネルギーのX線や電子線を体の外から照射する治療法です。
当院では、高精度放射線治療器True Beamによる強度変調放射線治療(IMRT)を行います。
がんにより正確に放射線を照射するため、治療の前に前立腺内に金マーカーを留置します。
前立腺への放射線治療の影響を受けやすい直腸については、前立腺と直腸を引き離すスペーサーを会陰部から局所麻酔で注入します。
治療の際には、True BeamのExacTrack機能を用いて前立腺内に挿入された金マーカーを追尾することにより前立腺の位置を把握することができるため、前立腺に絞り込んだ範囲への照射が可能です。正常組織(直腸、尿道)への被ばくを抑えられ、放射線治療による障害発生(下痢、直腸出血、頻尿など)が予防できます。
True Beamでは腫瘍に対し多方向から集中して放射線を照射する定位放射線治療(SRBT)も 可能です。 IMRTでは通常1回につき2Gyの放射線を照射しますが、SRBTでは1回の治療につき8Gyの放射線を照射します。 少ない通院回数で治療を行うことができるため、患者さんの負担軽減に繋がります。
小線源治療とは、体内に直接小さな放射線源を治療する部位に挿入し、腫瘍へ直接放射線を照射する治療法です。
前立腺がんでは、高線量率組織内照射(HDR)を行います。 HDRは一時的に体内へ線源を挿入し、治療後は抜去します。
HDRは線源から離れると線量が大幅に減少するため、周辺組織への被ばくを最小限に抑えながら、腫瘍には短期間で大量の線量の照射が可能です。
前立腺への放射線治療の影響を受けやすい直腸については、前立腺と直腸を引き離すスペーサーを会陰部から局所麻酔で注入します。
高線量率組織内照射は1週間以内の短期入院治療で行います。
当院では、去勢抵抗性前立腺がんの骨転移に対する内用療法(ゾーフィゴ治療)を実施しております。
詳しくはこちらをご覧ください。
YouTube『ドクター伊丹 放射線治療医のがん情報チャンネル』(※YouTubeへ遷移します)
▲「【前立腺がん】知っておくべき初期症状から予防まで放射線治療専門医が解説」