重要なお知らせ

【外科】ロボット支援下鼠径ヘルニア手術 初症例

2023年9月、手術支援ロボット Hugo RAS System(ヒューゴ)による鼠径(そけい)ヘルニア手術を当院で初めて行いました。

Hugo RAS Systemの特徴

Hugo RAS Systemは、腹腔鏡手術を支援する内視鏡下手術支援ロボットです。従来の支援ロボットとは異なりアームカートが独立しているため、症例や患者さんに合わせてアームの位置調節ができます。また、術者の操作画面がオープンコンソールになっているため、チームのスタッフが同時に確認できます。これにより手術中のコミュニケーションが容易にとれるようになります。

HugoRAS System

松尾院長より

Hugo RAS System導入の背景

2012年に日本で初めて前立腺手術に手術支援ロボット ダビンチが導入されました。以来、ダビンチがシェアのほとんどを占めており、世界では6000台以上、日本では600台以上が現在稼働しています。当院でも2020年から当システムを導入し、各診療科で活用しています。一方でここ数年、新たな手術支援ロボットも開発されてきています。純国産ロボットとしてHinotoriが話題になったことをご存じの方もいるかもしれません。新しく優れたロボットが開発され、販売されている中で、当院では本年7月にMedtronic社のHugo RAS Systemを導入いたしました。このロボットを選定した基準として、まずは手術支援ロボットとして非常に優れていること、さらに、自動縫合器や止血切開などに用いるエネルギーデバイスの周辺機器において、同社が非常に多くの優れたノウハウを有していることが決め手となりました。

本邦第1号の手術

万全な準備の下、9月16日にHugo RAS Systemを用いて鼠径ヘルニア手術を実施いたしました。新ロボットによる鼠径ヘルニア手術は日本では保険適応になっておりませんが、先に導入した手術支援ロボット ダビンチで鼠経ヘルニア手術の臨床試験に参加し、国内でも有数の手術実績があります。この経験をもとに手術を実施いたしました。ロボットの使用感としてはダビンチと何ら変わらず、非常に精度の高い手術ができました。因みにHugo RAS Systemによる鼠径ヘルニア手術は本邦第1号の手術でした。今後もクオリティーの高い手術を提供し続けてまいります。

今後の展望

手術においては術後の機能温存や手術による障害を可能な限り軽減する必要があります。解像度の高い3Dディスプレイによる視認性の良さと精度の高い鉗子操作が可能なことは、そういった点において非常に有利であることは間違いありません。今後、ダビンチと並行して、Hugo RAS Systemを大腸癌・胃癌手術などにも応用していく計画です。


ロボット支援下鼠経ヘルニア手術 ロボット支援下鼠経ヘルニア手術