2023年12月、当院において小児患者に対する腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術(Laparoscopic Percutaneous Extraperitoneal Closure : LPEC)の初症例を実施いたしました。
小児鼠径ヘルニアは胎児期に足の付け根(鼠径部)にあった、お腹の中と繋がっている通り道(腹膜鞘状突起)が残っていることが原因となっています。開いたままとなっている腹膜鞘状突起を糸で縛って閉鎖する治療となります。
手術には足の付け根を切開して閉鎖する従来の方法と、腹腔鏡を用いて閉鎖する方法があります。腹腔鏡では傷が小さく、また反対側の足の付け根に腹膜鞘状突起の開存があるかどうかを術中に確認でき、症状がなくとも予防的に治療することができるというメリットがあります。
当院には常勤で経験豊富な小児外科医が赴任しており、様々な術式で一般的となっている腹腔鏡手術が可能です。今後も患児、ひいては一緒に経過をみられるご家族様への負担も少なくなるよう安全で低侵襲な手術を積極的に進めてまいります。