超音波検査とは、超音波を用いて体内の病変を調べる検査です。
プローブという器具を体に当て超音波を出し跳ね返ってきた音波(反射波)を画像化します。画像から病変を探し、大きさ、形状、深度などを観察して腫瘍や炎症、結石などの診断を行います。
また、映し出される画像はリアルタイムで動いて見えるので組織採取や穿刺などの検査、病変の位置を確認しながら行う治療、血流動態の観察などにも有用です。
なお、検査時の痛みや放射線被ばくの心配もなく安全な検査といえます。
当院が導入しているGE社LOGIQ E10は超音波診断装置の上位機種で、最大の特徴は全視野・全深度フルフォーカスでフレームレートは高いままでも、高分解能の画像を得ることが出来ます。
また、事前に撮影しておいたCT/MRI画像を同じ画面上に映し出すことができ、GPS機能を利用することで、超音波画像の動きに合わせてCT/MRI画像もリアルタイムに連動させることが可能です。超音波画像だけでは見えづらい病変もCT/MRI画像を参照しながら観察することができ、より正確な診断より安全な治療を行うことが出来ます。
当院では主に消化器疾患の診断・治療に用いています。
特に肝臓がんに対するラジオ派焼灼術(RFA)では肝硬変の進行により肝臓内に紛らわしい腫瘤が多発している場合や早期の病変で、エコーではっきりしない場合にCT/MRI画像と比較しながら正確な位置を把握し治療することが可能となります。
肝硬度測定検査
肝硬度測定とは、肝臓における組織の硬さを評価する検査です。
慢性肝炎や進行した脂肪肝では肝組織が徐々に線維化します。線維化がさらに進行すると肝硬変に至ります。これまで肝臓の硬さを調べる検査は肝臓に直接針を刺し組織を調べる肝生検が行われてきましたが、当院ではフィブロスキャン・シェアウェーブと呼ばれる2つの手法を用いて患者さんに負担なく簡便に肝硬度の測定も行えるようになりました。
主な適応症例
腹部超音波
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肝臓
肝臓がん、肝血管腫、肝硬変、肝嚢胞、脂肪肝 など
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膵臓
膵臓がん、膵炎、膵のう胞 など
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胆のう
胆のうがん、胆のうポリープ、胆のう結石 など
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その他
イレウス、虫垂炎、腹部大動脈瘤、前立腺肥大、膀胱腫瘍、腎結石 など
その他超音波
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頸部
バゼドゥ病、橋本病、甲状腺腫瘤 など
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乳腺
乳腺腫瘤、乳がん など
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脈管系
頸動脈狭窄症、下肢静脈瘤、閉塞性動脈硬化症 など
Q&A
- 超音波とは?
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人が聴くことができない高い周波数の音波です。高い音波を臓器に当て、跳ね返ってきた音波(反射波)を画像化します。心臓や肝臓、腎臓などの臓器の観察や、血液の流れなどをリアルタイムで観察することが出来ます。
- 検査時間はどれくらいかかりますか?
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検査する場所により異なりますが、通常10分~20分程度です。
- 痛みや被爆などの危険は?
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検査部位に無害のゼリーを塗り、超音波を送受信する器具(プローブ)当てて観察する為基本的に痛みはない検査です。ですが、検査部位によりますがプローブを当てることで若干の痛みを感じる方もいらっしゃいます。
放射線を使用しないので被ばくの心配はありません。妊娠中の方や乳幼児の方も安心してお受けいただけます。