重要なお知らせ

糖尿病

血液中のブドウ糖を一定に保つインスリンが作用しにくくなったり、量が欠乏したりすることでうまく細胞の中に取り込まれず血液の中に余り、血糖値が上昇する病気です。余ったブドウ糖が尿により体外に流出するため糖尿病と呼ばれます。
糖尿病には大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病があり、さらに妊娠糖尿病や遺伝子の異常、他の病気が原因となる場合もあります。

1型糖尿病

抗体が自らの細胞を攻撃してしまい、インスリンを分泌する膵臓の細胞が壊れてしまうことが主な原因です。
インスリン分泌が少なくなっているため、インスリン注射が必要になることが多いです。

2型糖尿病

インスリンの分泌が少なくなることや、働きが悪くなることで起こります。
両親が糖尿病の人や、食べ過ぎ、運動不足といった生活習慣が乱れている人に発症する場合が多いです。
糖尿病患者の多くが2型糖尿病に分類されます。

妊娠糖尿病

妊娠中に初めて発見された糖代謝異常(空腹時や食後の血糖値が異常に高くなった状態)を指します。
妊婦の7~9%が妊娠糖尿病と診断されると言われており、放置しておくと母体だけでなく生まれてくる子どもにも影響が出ます。

検査・診断方法

1~2ヵ月の血糖値の変動を反映したHbA1c値や、空腹時や食後の血糖値などの検査値を組み合わせて診断します。

治療法

糖尿病の治療では、運動と食事が基本となります。
それでもコントロール不良の場合に薬で治療を行いますが、あくまでも日々の生活習慣が治療の重要なポイントになります。

●運動療法●
運動を行うと、筋肉の活動量が上がることでインスリンの働きを助け、血糖値を下げます。
ウォーキングなどの全身を使った運動を1日30~60分程度行うことを習慣づけましょう。

●食事療法●
体格や運動量に合った適正なエネルギー量の食事を摂ることが大切です。
また、糖質・脂質・タンパク質の三つの栄養をバランス良く、規則正しい時間に摂ることも意識しましょう。
また、間食は厳禁です。

●薬物療法●
糖尿病の内服薬には様々な種類があり、病態に応じて使用します。
インスリン分泌が低下している人や内服で血糖コントロールができない場合はインスリン注射を行う事もあります。
薬物療法を行う際は主治医の指示通り用法用量をきちんと守ってください。

糖尿病の合併症

糖尿病は、自覚症状がなくても合併症が進行しています。
合併症は早い段階から治療をすれば防ぐことができるので、しっかりと血糖コントロールを行う事が重要です。

●糖尿病神経障害
高血糖により神経が侵されてしまい、末梢神経や自律神経に障害が起きます。
両足の裏の違和感や立ち眩みが出現することがあります。

●糖尿病網膜症
網膜に張り巡らされている細い血管が破れやすくなり、出血を繰り返すことで視力の低下や失明を招きます。
末期になるまで自覚症状が出現しないことが多いです。当院では、眼科で定期的な検査を行い、網膜症の有無を調べます。

●糖尿病腎症●
高血糖が続くと腎臓の毛細血管が侵されて、血液をろ過する機能が低下します。
自覚症状がないまま次第に腎機能が失われ、最終的に腎不全になり、人工透析等が必要になります。